無事にsonarsound tokyo 2006が終わりました。
スタッフとして お手伝いにきてくれた、もとさん、ヒロ、ようじろう、クララちゃん、ありがとうございました。
昼間のSonarSound Extraの方は、台風の影響と、恵比寿ガーデンプレイス住民とのトラブルもあって大音量が出せなかったりと、満足できるようなライヴにはならなかったようです。興味あるアーティストが多く出演していたために残念でした。
ただ、夜の部は3日間とも大盛況。でもさ、スタッフってまともに見たり、聞いたりできないんですね…という感じです。20%、なんとなく盗み聞きしていたという状況から、下記の感想です。
1day
初日は、”ヒップホップ未来派ショウケース”というテーマ。DJ Kursh、DJ KENTARO、DJ BAKUはつつがなく会場を湧かせ、Tuckerはフロアにタイヴしたおかげで手首の骨を折っちゃって、10月のライヴはオールキャンセルだとか。すげえ、痛そう。目玉のDE LA SOULは、DJメイスが病欠だったとはいえ、さすがでした! 日本人ってみんなデラ好きなんだな〜と。分かりやすく会場を盛り上げてました。
メインのフロアでは、こういったメジャーなアーティストがプレイしていたんですけど、より実験的なプレイが繰り広げられたサブのフロアに出演していたアーティストは、あまり日本では知られていないニューカマーたち。ブレイクビーツからスロービートまで幅広く使い分け、ファミコン的な明るいノイズ音を重ねていくEliot Lipp。グチャグチャしているようでいて、リズムラインや低音のタイミングがすごくしっかりしているから、音楽の印象としてすごくクリア。ノイズが嫌じゃない。ズッシリと体を音楽に預けられるアーティストでした。ぜひとも、メインでダイナミックにプレイしてほしかったな〜と。あと、スイスの人気アンダーグランド・レーベル、メンタルグルーヴの2トップ、Crowdpleaser&St.Plomdは、かなりの掘り出しものでした。この日は、あまりワイワイ踊れるようなセットがなかっただけに、ディープなエレクロニカと、鋭くない丸みの帯びたアップビートを混ぜつつ、人を引き付けるポップなダンスミュージックをプレイしていたコンビ。もうちょっと踊ってみたかった。こういったアーティストをもうちょいメインフロアに持って行けば、全然フェスの印象が違ったような。どちらが良かったかは、分からないけど。未知なる音楽の発見を多くの人々へ、っというかね。でも、どちらも初来日の彼らと出会えてことがかなり嬉しいことw
さて、初日のトリ、Diplo。日本でも露骨キッドさんなんかの影響で人気あるバイリ・ファンキを中心に、世界中の辺境地で同時多発的に生まれている新しい音楽たち(クランクやボルティモア・ブレイクビーツ)なんかを同じ釜にぶっ込んで、DVDJではファミコンの映像(にんじゃ丸だっけ?)や初代タイガーマスクの映像で笑いをとりつつ…プレイ! そのスタイルに一貫していたのは”陽気な乱暴さ”、まさにファンキー。とくに、M.I.Aが飛び入りで乱入して、ラップ刻んでたのには、ニヤっとしてしまいました。
2day
初日以上の人込み。エレクトロニック・ミュージックの過去、現在、未来をコンパイルというテーマ。YUKIHIROさんが個人的にすごく好きで、きっとフロアで聞いてたら目頭が熱くなっただろうにw まあ結局の、盗み聞きで、同じく大好きなShiro The Goodmanを見れなかったので、大ショック! という始まり。
ロック大好き日本人、にはBOOM BOOM SATELLITESのダンスセットはかなり嬉しかったみたいですが、その後の目玉、Altern8でも、かなり楽しんでいたようです。お馴染みのマスクにつなぎ姿で登場すると、のっけからデリック・メイ「Strings of Life」、続いて、オービタル「Chime」→ニュー・オーダー「Blue monday」→ジョイ・ベルトラム「Energy flash」といったテクノ名曲メドレーを次々にドンドンドンと打ち出していく。そこまでは突き抜けられるの?っていうメジャー選曲なのに、流れの作り方は丁寧だから、もういろんな意味でコアな音楽好きも諦めて踊った感、があるはず。さすが! と思ってしまいました。後半、”一番”と書かれた日の丸のハチマキ巻きはじめてから、多少落ち着いて、ベテランらしく無難にフィニッシュ。いったい、彼らがどこまで狙ってるのか、もしくは日本人が舐められてたのか、ちょっと勘ぐってしまうほどw 衝撃の初来日ライヴ。
そして、SENOR COCONUTへ。バルセロナ<sonar>では、太陽の下、野外の陽気な雰囲気の中でのライヴだっただけに、室内の、しかもノリノリで踊った後、でお客さんの反応はどうかな〜と思っていたけど、アトム・ハートの電子音が室内だからこそ、逆にしっかり耳に入ってきて、生演奏も響いてる。迫力の強度が違いました。真っ暗にワンライト、PCの前にアトムが電子音を鳴らしているところからライヴはスタートし、オーケストラの演奏が始まると共に、一気にライトアップ! ズラっとオーケストラが! この演出がかっこ良かった。その後、ラテンノリで会場は大騒ぎ、ボーカルの伊達男、アルヘニスが『音楽』を体をクネクネしながら上手な日本語で歌っている姿をサブスクリーンで見れて、すごく楽しくなってしまったw YMOラテンカヴァー、エレクトロニック・ラテン・バンド、かなり耳に残る。改めて、恐るべし。
掘り出し物として、Angel Molina、Go Home Productionsらが好印象w もう少し聞けてたらな。トリのDJ Hellは片付けしていてあまり聞けなかった。残念。2日目を一番楽しみにしていたんだけど、上の人になるべく聞いてもらって、下っ端は仕事しないとね、チャチャチャ!
3day
最終日。パフォーミングアーツと電子音楽、クラシックが同座する特別プログラム、というテーマ。本国のオーガナイザーは、saikoss、がすごく良かったと、持ち切りだったそうです。確かに、kossさん(kuniyuki)の出しすぎず、出さなすぎずの電子音の絶妙なバランスが、インセンにおいての坂本龍一とカールステン・ニコライのバランスを彷彿とさせていました。ビアノのsaikoさんと電子音のkossさん、男女間のさじ加減なんかも関係あるのかな、太めの音を重ねるときほど、繊細だったように思う。(微かな下ネタ)。ベストアクトは、パフォーマンス集団、ロマンチカとSENOR COCONUTの共演。と、やはり、ヤン富田さんのライヴ。スティールパンと倍音が何十にも重なったサイケの真髄みたいな電子音に、いとうせいこうさんのラップが入ったときは、盗み聞きながらも、鳥肌が!
一時代を築いたオールド世代から次世代を担う新しい音楽たちが発信され、原点回帰からの未来への可能性を提示できていたような。なにしろ、無事に終了して何よりです!
遊びにきた人、感想を聞かせてください。
最近の良かったこと:読書の秋、時間にちょっと余裕できました。